新星堂の「MUSIC TOWN」182号掲載文の原文



 新星堂は昨年,CD24枚からなる「ワインガルトナー大全集」を発売しました。私はこのリリースには大変感激して,ニフティサーブのクラシック音楽フォーラムの「CD感想の部屋」にそのことを書きこみました。

 この書き込みからしばらく経ってから新星堂から連絡があり,この書き込みを同社のPR誌である「MUSIC TOWN」に掲載してもいいかということだったので2つ返事でOKしました。

 掲載に際しては文面を変えることがあるということについても特に異論はなかったのですが,実際に掲載されたものを見ると,長さもかなり短くなっていますし,表現も微妙に変わっていました。

 文面を変えてもいいと承諾していたわけですから今さら不満を言おうとは思いませんが,私としてはできればオリジナルの文章で読んでいただきたいので以下に原文と,「MUSIC TOWN」182号(19ページ)に掲載された文を併記して掲載します。お読みいただいた感想はやはり異なるでしょうか?

クラシック音楽フォーラム掲載の原文

「MUSIC TOWN」182号掲載文


フォーラム名:<音楽フォーラム・クラシック>
会議室名 :CD感想の部屋           No.14
発言番号 :737
氏名 :DZQ01721 加藤 幸弘
題名 :ワインガルトナー全集はまさに愛好家の鑑
登録日時 :99/09/25 23:10


 新星堂の自主企画CDの新シリーズとして,ワインガルトナー全集が出るということは少し前から知っていたのですが,ワインガルトナーのCDはあっちこっちのレーベルから出ているものを少なからず持っているし,ここでまとめて発売されても買いにくいなあと思っていました。まあ,未聴のもので聴きたいと思ったものを選んで買えばいいかな,くらいに思っていました。

 それが先日,たまたま新星堂に行った際に,店頭で配布しているPR誌「MUSIC TOWN」をもらってきて見たところ,このワインガルトナー全集の特集がされていて,発売されるCDの詳しい説明があったのですが,それを読んだら驚いたのなんのって(@_@)

 このワインガルトナーのシリーズがこれまでの新星堂のシリーズと決定的に違うのは,文字通りワインガルトナーのEMI全録音が収録されているということなのです。ベートーヴェンの運命は4つありますし,7番も3つ。モーツァルトの39番やブラ1も3つあります。

 ワインガルトナーにはこの他に米コロンビアにSP4枚分の録音があり,現在の盤権所有者がソニークラシカルということで今回は収録できなかったそうですが,逆に言うとそれ以外のワインガルトナー録音は全て収録されているということです(未発売音源を除く)。

 ワインガルトナーのSP録音は200枚強あり,SP時代にこれだけの量の録音を残した指揮者は他にいないそうです。今回の復刻に用いたのは,世界的なワインガルトナーコレクターの川合四朗さんのコレクションなのですが,このコレクションの凄いところは,同一録音であっても各国のプレス盤を収集していることで,今回のCD化にあたっては,これらの全てのSP盤を聴いた上で最も音質良好なものを用いているそうです。

 川合さんは,ワインガルトナーの全録音がCD化されるということだけを喜びとし,SP盤の提供は無償。所蔵する1500枚のワインガルトナーSPを全て聴いて盤を選定し,復刻への指導助言等全てボランティアで事に当たったそうで,いくらワインガルトナーを愛してやまないとはいっても,ここまでの熱意には頭が下がるというか,まさにコレクターの鑑,いや,ワインガルトナーファンの鑑というべきでしょうか。

 また,ワインガルトナーの録音には7曲,14面の別テイクが存在し,これも,10枚以上予約するともらえる特典盤CD1枚にまとめられています。

 私は新星堂の回し者でもなんでもありませんが,この復刻話にはすっかり感激してしまいましたし,ワインガルトナーの全録音を,考え得る最良の音質で一度に揃えることができるというのは夢のような話ではないでしょうか。9月25日発売ですが,特典盤CDはまだ店頭にあるかもしれないので入手するなら今のうちかも。

◎新星堂 SGR-8521〜44(全24枚分売。1枚1890円)

 詳細は新星堂のHPをご覧下さい。

 http://www.shinseido.co.jp/special/weing/index.html


 上述文でワインガルトナーの別テイクを7曲14面と書いていますが,特典盤CDには7曲18面が収録されていました。全てベートーヴェンの作品です。原文掲載ということで上述文ではそのままにしておきましたので,ここで訂正させていただきます。


フォーラム名 NIFTY<音楽フォーラム・クラシック>
会議室名 :CD感想の部屋 No.14
発言番号 :737
氏名 :DZQ01721 加藤 幸弘
題名 :ワインガルトナー全集はまさに愛好家の鑑
登録日時 :99/09/25 23:10


 SGRの新企画として,《ワインガルトナー大全集》が出るということは少し前から知っていました。ワインガルトナーのCDはあちこちのレーベルから出ているものを少なからず持っているし,ここでまとめて発売されても,買い難いものだと思っていました。それで,未聴のもので聴きたいと思ったものを選んで買えばいいか,くらいに思っていたのです。

 先日,たまたま新星堂に行った際,店頭で配布しているPR誌[MUSIC TOWN]を見たところ,このワインガルトナー全集の特集がされていて,発売されるCDの詳しい説明が載っていました。それによると,従来出ているワインガルトナーのものと決定的に違うのは,文字通りワインガルトナーのEMI全録音が収録されていること。しかも,ベートーヴェンの「運命」は4種類あり,「7番」も3種類。モーツァルトの「39番」やブラームスの「1番」も3種類あります。 

 ワインガルトナーにはこの他,米コロンビアにSP4枚分の録音があり,現在の盤所有者がソニークラシカルで,今回は収録できなかったとされていますが,逆にいえば,それ以外のワインガルトナー録音は全て収録されているわけです(未発売音源を除く)。

 今回の復刻に用いられた,川合四朗さんの凄いところは,同一であっても各国のプレス盤を収集されていて,それを試聴の上,もっとも音質良好な盤を用いたところで,音質の向上は言うまでもなかったということでしょう。しかも,川合さんは,無償でSP盤を提供,復刻への指導助言などすべてボランティアということで,まさにコレクターの鑑,いや,ワインガルトナー・ファンの鑑というべきで称賛するものです。