プティジラール指揮，フランス響のフォーレ管弦楽曲集
◎フォーレ ドリー（ラボー編） 劇音楽「ペレアスとメリザンド」組曲 劇音楽「シャイロック」組曲 ディヴェルティスマン「マスクとベルガマスク」組曲 ローラン・プティジラール指揮，フランス交響楽団， ガイ・フレクテル（テノール：シャイロック）<1991.3.4> 仏OSF OSF 49003 実は私はフォーレの作品が大好きで，このＣＤに収録されているポピュラ ーな管弦楽曲も浸りきって聴いてしまう方なのですが，またまたバークシャ ーレコードのカタログで見つけ，さっそく入手しました。価格は５.９９ドル でした。 指揮をしているローラン・プティジラール（Laurent Petitgirard,1950-） は，１９８９年から１９９６年までフランス交響楽団（Orchestre Symphonique Francais (OSF)）の音楽監督で，このオーケストラ名を冠したＯＳＦレー ベルに少なからぬ録音を残しています。 さっそく聴いてみましたが，オケの編成はやや小さめなのか，厚みやスケ ール感よりも，軽快で親密な印象を抱かせるもので，アンサンブルは特に緊 密というほどではないにしても，ソロの明るい音色や，フレージングの絶妙 な味わい深さは実に魅力的で，ナチュラルで瑞々しい感性が息づいた，ロー カルな魅力に溢れた演奏を聴かせています。 この演奏の持ち味は，とりわけドリーでの愛らしい歌い口において素晴ら しい魅力を発揮しており，懐かしくも微笑ましい思いに誘われて，ちょっぴ り胸が締め付けられるような趣はことさら印象的でした。 ペレアスとメリザンドでは，ニュアンス豊かながら，もう少し締まりがほ しいようにも思えたものの，人肌の優しい音の感触と，インティメートに語 りかけるような魅力を感じましたし，シャイロックになるとシンフォニック な響きを駆使したなかなかに雄弁な演奏で，フレクテルのテノールはエスプ リを感じる大変魅力的な声色でしたし，マスクとベルガマスクになると直截 な表現になっていて，巧みなフレージングを聴かせながらも，前に張り出し てくる積極性が印象的でした。 というわけでこのＣＤの録音は，曲毎に微妙に演奏の感触が異なってはい るものの，いずれもフランスのローカルな味わいが堪能できて，繰り返し聴 いて聴き飽きることがなく，こういうＣＤをうるうるして聴いているという のもあまり見られたものではないかもしれませんが，「とっておきの１枚」 とすら思える実に得難いＣＤではないかと思います。 ＰＳ：バークシャーレコードでこのＣＤを入手されるには，下記をクリックす ると該当ＣＤが表示されます。"Sorry, No results found."と表示され た場合は売り切れです。 プティジラール指揮，フランス響のフォーレ管弦楽曲集
2001.10.26
