フィリッパ・ジョルダーノ（今，イタリアで大人気！）

　ＣＤショップの店頭で，クラシックＣＤらしからぬ雰囲気の，おしゃれな美
女のジャケットデザインのＣＤがありました。今イタリアで大人気の美人歌手
なんだそうで，収録曲をみると，ノルマやらトスカやらのおなじみのナンバー
が収録されています。というわけでさっそくゲットしました。

◎ベルリーニ（チェルソ・ヴァッリ編）
　　　　　歌劇「ノルマ」〜清らかな女神よ（ショート・バージョン）
　サン＝サーンス（マルコ・サビウ編）
　　　　　歌劇「サムソンとデリラ」〜あなたの声に心は開く
　プッチーニ（チェルソ・ヴァッリ編）
　　　　　歌劇「トスカ」〜歌に生き恋に生き
　ビゼー（チェルソ・ヴァッリ編）
　　　　　歌劇「カルメン」〜ハバネラ
　プッチーニ
　　　　　歌劇「ジャンニ・スキッキ」〜私のお父さん
　グノー（チェルソ・ヴァッリ編）
　　　　　アヴェ・マリア
　ヴェルディ（チェルソ・ヴァッリ編）
　　　　　歌劇「椿姫」〜さようなら，過ぎ去った日よ
　モリコーネ
　　　　　ロスト・ボーイズ・コーリング
　サルトーリ
　　　　　ユー・アー・ザ・ワン
　　　　　ディゾナンツェ
　　　　　マリア
　ベルリーニ
　　　　　歌劇「ノルマ」〜清らかな女神よ（エクステンデド・バージョン）

　　　　　フィリッパ・ジョルダーノ（ソプラノ？）

　　　　　仏ERATO  3984-29694-2


　さて，聴いてみたら伴奏がオケではなく，エレクトリックなものでありポッ
プス風アレンジになっています。さらに驚いたのは，いわゆるベル・カントで
歌っているのではなくて，マイクに向かってポップスを歌うときの声量で歌っ
ているのです。私はてっきり通常のオペラアリアのＣＤだと思って入手したも
のですからなんだか騙されたような気がしてしまいました。

　翻ってポピュラー歌手の歌として聴けば，声も綺麗だし，歌は上手いしと，
なかなか優れたアルバムとは言えそうです。しかし，これら難曲を歌いこなす
のはさすがに容易ではないようで，例えば「歌に生き恋に生き」の最後の方の
高い音は全然出てなくて，声にならないかすれ声みたいになっています。

　聴いていて思うのは，カラオケボックスのレパートリーにオペラアリアがあっ
たらこんな感じかな？っていうことで，それはそれで楽しいとは思いますが，
ＣＤにして売るようなものなのかなあ。ほんとにこれがイタリアで大ヒットし
てるの？と信じられない気もしています。

　しかし，こういうことは店頭のキャプションにでも書いておいてもらわない
と騙される人が続出するんじゃないかなあ。あるいは美人に弱い男心を逆手に
取った商売なのかな・・・ｲｽﾞﾚﾆｾﾖﾔﾗﾚﾀ

1999.11.21