バッハの意外に珍しいトリオ・ソナタ
少し前から，フランスハルモニアムンディから，ハルモニアムンディ・バッ ハ・エディションというシリーズが店頭に並んでいて，その中から，ロンドン バロックのトリオソナタ集をゲットしてきました。タワーでは９９０円でした。 ◎Ｊ・Ｓ・バッハ トリオ・ソナタ ニ短調 ＢＷＶ１０３６ ハ長調 ＢＷＶ１０３７ ト長調 ＢＷＶ１０３８ ト長調 ＢＷＶ１０３９ ロンドン・バロック 仏HARMONIA MUNDI HMX 2951173 この４曲のうち，ＢＷＶ１０３６は音楽の捧げもの中のトリオ・ソナタと同 一曲です。この作品はケーテン時代に書かれたそうなので，バッハ３０代の作 品ということになります。 ＢＷＶ１０３７はバッハの作ではなく，ヨハン・ゴットリーブ・ゴールドベ ルク作とされているようです。確かにバッハ作というよりは，コレッリかジェ ミニアーニあたりの作品のようにも聴こえます。 ＢＷＶ１０３８もバッハ作ではないとされているようです。にもかかわらず 録音は多いんですね。４つの楽章合わせても７〜８分くらいの長さなので，録 音の埋め草になっているのでしょうか。 ＢＷＶ１０３９はチェロ・ソナタ（ガンバ・ソナタ）第２番と同一曲で，こ のトリオ・ソナタの方が，チェロ・ソナタの原曲とされているようです。 で，この４曲を収録した録音というと，国内盤ではＬＰ末期にムジカ・アン ティクァ・ケルンのアルヒーフ盤がありましたが，ＣＤでは１度も出たことが ないようです。輸入盤でも，４曲収録したＣＤはこれが唯一かもしれません。 このＣＤの録音は１９８５年なのですが，非常にしっかりした，バランスの 良い演奏で，フィーリングの点でも今時のピリオド楽器の演奏と異なりません。 というわけで，価格も安いし，４曲まとまっているＣＤは貴重だし，演奏も 良いしというわけで，お買い得ＣＤだと思います。
1999.11.14