ヴァイオリン４挺のカルテット
◎モーツァルト 歌劇「魔笛」より１０曲 ラモー 歌劇「ピグマリオン」〜序曲 歌劇「ピグマリオン」〜パントマイム 歌劇「プラテ」〜メヌエット 歌劇「優雅なインド」〜未開人のアリア 歌劇「ピグマリオン」〜愛のアリエッタ 歌劇「ザイス」〜ジーグ キャトル・ヴィオロン 仏ERATO 3984-27318-2 ヒロ・クロサキの名前がクレジットされたＣＤを見つけたのでゲットしてき ました。 キャトル・ヴィオロンは，レザール・フロリサンのヴァイオリン奏者４人の アンサンブルで，メンバーは，ヒロ・クロサキ，サイモン・ヘイエリック，ミ ホコ・キムラ，イザベル・セッラーノの４人です。 魔笛の方は，このジングシュピールの著名ナンバーを，２つのヴァイオリン 又は２つのフルート用に編曲された，編曲者不明で１７９２年に出版された曲 集を４つのヴァイオリン版に編曲したもので演奏しています。 登場するナンバーは，私は鳥刺し，何と美しい絵姿，復讐の心は地獄のよう に燃え，恋を知る男たちは，かわいい女か女房があれば，ああ，愛の喜びは露 と消え，パ・パ・パ・パパゲーナ，魔法の響きのなんという力強さetcといっ た有名どころが収録されています。 ヴァイオリンが４挺となると，音域が同じ楽器になるので，変化に乏しくな るのではないかという懸念を持たれるかもしれませんが，元々の旋律が優れて いるのと，アレンジが巧みなのと両方なのでしょうが，きびきびとしたキレが あり変化にも不足しておらず，アリアそのものを聴くように楽しむことができ ました。 一方，ラモー作品は，２つのヴァイオリン用に１７６１年にアレンジされた ものを，さらに４つのヴァイオリン用に編曲したもので演奏しています。 私は個人的にラモーは大好きなので，魔笛以上に期待していたのですが，原 曲のせいか，アレンジのせいか，同じ音域に音が固まってしまい，非常にキツ い，あるいは騒々しく感じられることが多かったように思います。 そんなわけで，このＣＤはどちらかというと魔笛ファンにはお勧めのＣＤと いえるかもしれません。ヒロのファンにはいわずもがなですが。
1999.11.7