ハスキルのウェストミンスター録音
オリジナルテープが発見されて，高音質の名演を次々とリリースしているウェ ストミンスター盤ですが，ついにハスキルの名演が発売されました。 ◎モーツァルト ピアノ協奏曲第２０番Ｋ４６６<1950.9.23&24> ピアノ協奏曲第１９番Ｋ４５９<1950.9.23&24> ベートーヴェンピアノ協奏曲第３番<1950.10> ハスキル（ピアノ）， ヘンリー・スウォボダ指揮，ウィンタートゥール響 ドメニコ・スカルラッティ ソナタ 嬰ハ長調 Ｌ２５６，Ｋ２４７ ソナタ ト長調 Ｌ３８８，Ｋ２ ソナタ ハ長調 Ｌ４５７，Ｋ１３２ ソナタ ト短調 Ｌ３８６，Ｋ３５ ソナタ 変ホ長調 Ｌ１４２，Ｋ１９３ ソナタ ヘ短調 Ｌ１７１，Ｋ３８６ ソナタ ヘ短調 Ｌ４７５，Ｋ５１９ ソナタ イ長調 Ｌ４８３，Ｋ３２２ ソナタ ロ短調 Ｌ３３，Ｋ８７ ソナタ ハ長調 Ｌ２５５，Ｋ５１５ ソナタ ヘ長調 Ｌ４７９，Ｋ６ ハスキル（ピアノ）<1950.10.1> WESTMINSTER MVCZ-10063〜5 これらハスキルの名演が復活するとなれば，何はなくとも入手しなければな らないところですが，これらの録音はすでに２枚のＣＤに収めて発売されてい ます。 ◎ウェストミンスター 64XK19〜20 今回は，かつて２枚のＣＤに収められていたのが，３枚組になっているので すが，オリジナルのＬＰのカップリングで，ジャケとデザインも復刻されてい るので，コレクターズアイテムとしてのこだわりが感じられます。 一連のウェストミンスターのオリジナルマスターからのリリースは，以前よ りも見違える音質になっているので，今回も音質向上を楽しみにしていたので すが，予想外というか，信じられないというか，かつてリリースされていたも のと比較しても，さほど音質が向上していません。 あえていえば，高域の伸びや，ピントの合った感じの音質になっている点で 今回のＣＤの方が優れているとはいえるのですが，その差は僅少であり，音質 目当てであれば，旧ＣＤをお持ちの方が買い換える価値があるかというと微妙 なところだと思います。 それにしても，この録音も従来のシリーズの延長で発売してもらえれば買い やすいのに，スペシャルエディションの形式で出された方が買いにくいですよ ね。この辺りは，レコード会社の姑息な勘違いであると批判したいと気持ちで す。
1999.10.30