幻のチェリビダッケ指揮のベートーヴェン交響曲第１番

　チェリのちょっと気になるＣＤを入手したので聴いてみました。

◎ベートーヴェン　交響曲第１番<1989.6.25>
　　　　　　　　　交響曲第２番<1986.12.6>

　　チェリビダッケ指揮，ミュンヘンフィル

　　米NAVIKIESE  NAV-4001


　このＣＤのなにが気になるのかというと，上記１番の録音は１度はＥＭＩか
ら全集に含まれる録音として発売予告されていながら，主に音質上の理由で，
チェリの長男チェリビダーキ氏の承諾が得られず発売取りやめになったいわく
つきのものだからです。

　この発売直前になって全集にならないこととなったことについては，タワー
レコードのフリーペーパー「ミュゼ」で俵孝太郎氏も激怒の文章を書いておら
れました（同じページに東芝ＥＭＩの弁明が載っていたのが笑えました(^o^)）。

　そもそも，チェリのベト１の録音はこれ以外に知られていないので，多少音
質に問題があってもぜひ出してほしかったと思っていたのでしたが，流石とい
うか何というか，海賊盤で出ちゃいました。

　聴いてみると，音質は程度のよいエアチェックテープというところで，とこ
ろどころ音質に不調をきたすことがあるのは，エアチェックの際の問題なのか，
放送局のテープ自体の問題なのかまではわかりません。

　演奏は，ＥＭＩのボックスでの２番の演奏に似た，かなりゆったりとした演
奏です。今回のＣＤのカップリングの２番の演奏は，ＥＭＩ盤での演奏に比べ
ると，テンポも速く，引き締まった感じの演奏でかなり印象が異なります。

　まあ，これも入手容易なＣＤではないでしょうが，これを入手すれば，念願
のチェリのベト全集が揃うことになります。それだけでも入手に走る方は少な
くないかも。

1999.8.16