未聴ＣＤを聴く８　ラトルのシンフォニエッタと惑星

◎ヤナーチェク　シンフォニエッタ<1982>
　ホルスト　　　組曲「惑星」<1980>

　　ラトル指揮，フィルハーモニア管

　　英EMI  WHS 5 69244 2


　ベルリンフィルの次期シェフのラトルの未聴ＣＤを聴いてみました。ラトル
としてはかなり早い時期の録音で，特に惑星は２５歳の頃の録音で，日本国内
ではこれが本格デビュー盤でした（もちろんＬＰ）。

　オケがバーミンガムではなくてフィルハーモニアですが，両曲ともすっきり
クリヤーで颯爽とした演奏です。もう少し重量感のある響きがほしい気がする
のも事実ですが，そういう録音は他にいっぱいありますし，何といっても，ラ
トルの緻密にアンサンブルをまとめる能力が聴き物です。

　現在のラトルからすると，単調な感じもしないではありませんが，既存の価
値観にとらわれずに，自分の表現をしているように思えますし，２０代の頃か
らこれだけやれていたというのはやっぱり大したものですね。

1999.7.18